2015 September

 

 
 
9月のパリは本当にさまざまなイベントが次から次へ・・・。デザイナーズ・ ディのオープニングの今夜、日焼けした人々がサンジェルマンのギャラ リーに 溢れる!サンジェルマンから7区寄りのギャラリーにはデザイン自体が目立ちす ぎない、いかにも貴族のお嬢様が好きそうな「爽やかでおっとり した」デザイ ンの家具が並ぶ。

 

 

 
 
 
 
 
 
パリでは剥製もインテリアには人気のアイテムで、、お子様が最初に狩猟で射止 めたキジ・・・など、このブティックで剥製にする友人も多い。熊や 鹿、象や サイが並ぶ迫力のオープニング!

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
アメリカ人の建築家、フランク・O・ゲーリー設計のLVファンデーションを見 に行く。ゲーリーの作品はL.Aの初期の作品からウォルト・ディズ ニー・コ ンサートホール、ビルバオのグッゲンハイム美術館、古くはドイツのVITRA 美術館など世界各地で見ているけれど、建築家というより造形 作家のよう。優 秀な構造家あっての氏の作品。あまりにも建物の印象が強く、内部の美術品を ゆっくり鑑賞するという雰囲気ではない。そしてコレク ションがとても平 凡・・・。世界中の有名アーティストの作品を羅列してあるので、ディクショナ リー的に鑑賞するには良いと思う。

 

 

 
 
 
強い日差しとその照り返し、激しい構造の中を歩いてすっかりヘトヘト。目も心も疲れる空間?水の音に癒される・・・。

 

 

 
 
 
 
 
 
 
ポンピドーセンターの4−5階にある国立近代美術館。コレクション数6万 5000天とも言われヨーロッパ最大規模の近代絵画コレクションを所蔵し て いる。いつ行っても新しいコレクションが増えている上、既存のコレクションを さまざまなテーマに合わせて展示を替えていることには本当にシャ ポー(脱 帽)!大好きなマルセル・デュシャンのスペースや、ジャン・プルヴェなど建築 関係のプロトタイプなどコレクションの幅も広く、毎回違う展 示もとても興味 深い。

 

 

 
 
 

 

 

 
 
 
 

 

 

 
 
第56回のヴェネツィア・ビエンナーレ、会場にはインドの現代アート集団、ラックス・メディア・コレクティブによるモニュメントのようなインスタ レーションが並ぶ。

 

 

 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

   
 
 
 

 

 

 
 
マシンとしての完成度も高い?ベルギー館はジェームス・ベケットの作品

 

 

   
 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

   
 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

   
 
 
1895年に始ったヴェネツィア・ビエンナーレ。日本は1952年から 公式に参加しているそう。日本館の建築はル・コルビジェに師事した吉坂隆正氏の設計により1956年年の竣工。2014年に伊東豊雄氏による 改修が終わり、戦後日本のモダニズム建築の先駆けとを担った完成当時の姿が蘇ったばかり。

 

 

 
 

日本館はベルリン在住の塩田千春氏による「掌の鍵」−「The KEY in the HAND 」
大規模なインスタレーションでドレスやベッド、日常生活で使用した痕跡や記憶を内包する素材を使って制作するアーティスト。赤い糸に結ばれた 約5万個の鍵、その中に置かれた2隻の船、子供の写真と映像・・・。「鍵とは、大切な人や空間を守るそして扉を開けて未知の世界へゆくきっか けを作ってくれるもの」というご本人のコメントと赤い糸、作品に込めた思いストレートに伝わって、個人的にはとても好きなインスタレーショ ン。

 

 

   
 
 

パビリオン自体を作りかえるほどの大規模なインスタレーションのドイツ 館。

 

 

 
 
 
 
 

 

 

   
 
 
 

 

 

 
 
フランス館の不思議な巨木。なんと、この木はゆっくりゆっくり動く・・・。

 

 

   
 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

 
 
アメリカ館は大御所アーティストのジョーン・ジョナスのソロショウ。今年の特 別賞を 受賞とか。

 

 

 
 
ヴェネツィア・ビエンナーレのもう一つの会場、アルセナーレ。昔の造船所だっ た場所に延々と巨大なインスタレーションが続く。室内の照明のよう な・・・ フィリップ・パレノの作品。長いコリドーを歌いながら歩くパフォーマンスに迎 えられる。

 

 

 
 
 

 

 

 
 
子供の頃、植物の種や面白い模様の石、貝殻などを集めていたけれど、 「インスタレーション」と言う方法を知らなかったのでコレクション(?)の整理に困っていた。今からでも、こんな風に作ってみたい・・・。

 

 

 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

   
 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

   
 
 
建築にしても現代アートにしても「水」というのは大好きなマテリアル。その水面の動きや光の反射、、水の動きを感じること自体がとてもファンタ ジック・・・。

 

 

 
 
 

 

 

 
 

今年で第56回を数えるヴェネツィア・ビエンナーレの歴史を辿る。マリ ア・カラスのゴージャスな姿も。会場の変遷を辿る図面は興味深く、主人が留学していた頃からずいぶん変わったと・・・。

 

 

 
 
 

 

 

 
 
 

 

 

 
 
ようやくアルセナーレの先端までたどり着く。今年のビエンナーレのスポンサー、アルテミデの巨大なランプのカフェで一休み。最後は「イタリアの コード」というコンセプトのインスタレーション。どんな事も「コード」が解らないと入り込めないイタリアの社会を象徴しているよう・・・。

 

 

 
 

イタリアの偉大な記号学者、ウンベルト・エーコ。東洋の小娘の私が解る はずもない難しいインタビュー・・・。正に「イタリアのコード」のような存在らしく、大変な数の人が聞き入っている。世界的な著作「薔薇の名 前」はフィクションにおける記号論、聖書分析、中世研究、文芸理論などが複雑に絡み合った知的ミステリー。イタリアの放送局RAIでドキュメ ンタリーのプロデューサーを勤めていたとか。ミラノとリミニの別荘で執筆している映像は、3万冊とも言われる図書館のような蔵書をバックに。 フランスにおけるロラン・バルトのような存在?すっかり気分が「コード化」されて、ガランとしたアルセナーレの会場を後にする。

 

 

   
 
 
 

 

 

 
 
expo index 久しぶりの軽井沢。シルバーウィークでごった返す中、ル・ヴァン美術館に人間 国宝の染色家、志村ふくみ氏と西洋美術史家の高階秀爾氏の講演会に伺 う。 「農村の手仕事であった紬織を芸術の域に高めた」と紬織の重要無形文化財保持 者(人間国宝)になられた。お2人とも大変高名な方でありなが ら、わかりやす い言葉とユーモアに溢れたお話で素晴らしい講演会であった。「一つの事を続け る事」の尊さを感じ、自分の内なる声に良く耳を澄まし 「大好きな事を仕事に 選ぶ事」がとても大切だと思う。 page top

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